2008年12月30日火曜日

12/30 思うところ3 (トモ)

最後に思うところとしては、IMDでの1年間は人生のひとつの区切りとなった、ということです。

僕にとって2008年は1999年に就職 してから10年目に当たる年です。IMDの受験に際し今までの社会人生活を振り返ったときに感じたことは、ただただ生き急いできた、という恐れにも似た感覚です。自分にとって何が大事なのか、どのようなことがしたいのか、そこにどのように到達するのか、といった自分の価値観とじっくり向き合うことなく、がむしゃらに目の前のバーを飛び越えることだけを考えてきただけからなのかもしれません。そのようなことを考える材料や枠組みを十分もっておらず考えることができなかった、のかもしれません。そのため、本当にこのまま走り続けよいのか、自分が行きたい方向に走っているのか、という漠然とした不安が心の奥にあったのかもしれません。
IMDでの一年間は、まさにそうした自分の抱える価値観と真摯に向き合う時間でした。自分は何者なのか、何がしたいのか、今という特定の時代においてなにをすべきなのか。しばらく時間の流れの外に身を置くかのように、まったく違う切り口から今までの自分の経験とこれからの方針について整理する時間となりました。それはまるでブックエンドのように、今までの人生で積み重ねられた経験を整理し束ねるとともに、今後の新たな経験を積み重ねていくための仕切りとなりました。
IMDではカリキュラムとして用意されている規定の内容を習得するのではなく、生徒ひとりひとりの今までの体験を材料として自分について学ぶプロセスであったのだと思います。IMDのMBAは真に個人的なプログラムであり個人の体験から学ぶプロセスなのだと思います。

こうした点から、この1年間は、単に資格取得や一時停止のための期間としてではなく、今後の人生の土台や支えともなる発展的な時間でした。IMDという装置により世界から集まった90人のまったく異なる人生がひとつに凝縮されてとてつもないエネルギーを生み出し、そしてまた世界に散っていったのかもしれません。こうして振り返ってみると、IMDでのこの1年間はいままで体験したことのないほど充実した時間であり、今後もそこからいろいろな意味が生まれてくる貴重な時間であったのだと改めて心にしみてくるのでした。

12/30 思うところ2 (トモ)

第二に思うところは、IMDでの1年間は学ぶ期間ではなく忘れる期間だった、ということです。

IMDのMBAコースは、卒業後にGeneral Managementにつくことを想定し設計されており、最初の半年には基礎科目(Building Blocks)として、戦略、マーケティング、財務・会計、組織開発、といった経営に必要な最低限の知識を習得できるようになっています。MBA修了後には、ビジネスケースを戦略的な視点、財務的な視点、組織・人事的な視点など様々な観点から総合的に判断できるようにはなっています。

しかし、今年学んだことを聞かれても、『業界の成功要因(Key Success Factor)に基づいて企業固有の強み(Core Competency)の有効性を判断し、NPV(Net Present Value)から中長期的な企業価値を戦略的に判断することができるようになりました』みたいな上滑りな答えはとっさに思い浮かばず、僕の口をついてでるのは「なんにもできなかった(無力感)」「とにかく疲れた(疲労感)」「結局のところよくわからなかった(困惑感)」といったダメダメ感いっぱいの感想のみです。

もちろんこれは僕個人の私的な感想ですし、90人の中には当然異なる感想もあるとは思うですが、少なくとも僕にはこの感想が僕一人だけのものとは思えません。むしろIMDの1年間で挫折を感じなかった生徒は皆無だと断言できます。そして僕個人の場合には、一言で言えば、”今までやってきたやり方では今後通用しない”ということを学びました。自分の知識や経験がいかに限られた範囲のものであるかを痛感するとともに、興味や関心の持ち方でいかに知識や経験の幅を広げられるかも学びました。今までの知識・経験をリセットできた、というと聞こえが良すぎるかもしれません。実際には自己嫌悪と他者憎悪を行き来しながら極度の精神的な負担を誤魔化しつつ、あまり使うことのなかった脳のある部位にアクセスし、今までつむぎあげてきた回線を一旦はずして改めてつなぎなおしていくつらいつらいつらーい作業です。そうした容易ではないことをIMDの1年間を通じて学んできた、というよりむしろUnlearningしてきたよう思います。

格好良く言えば、『IMDでは「無知の知」を学んできました』ということになるかもしれませんが、周囲からすれば「高い金かけてなんじゃそれゃ」という結論であり、あまり世の中的には受けないなぁ、と思うのでありました。

12/30 思うところ1 (トモ)

12月3日に卒業式、そして12月15日に日本に帰国。ローザンヌでの生活が終わってからほぼ1ヶ月。今ではまるでIMDでのつらい1年間が人生という線上にのらない離れた点として彼方に置きざれにされ、去年の昨日と今年の今日が滑らかにつながってしまったような錯覚すら抱きます。

帰国後、IMDでの1年間について人に聞かれる度に、自分なりにこの1年間はなんだったのかを改めて考えさせられています。IMDでは思い出せないくらい多くの経験をし、特に消化の難しいつらい経験は意識下に眠ったままでいまだに言葉にしてあらわすことができないでいるかもしれません。なのでとりあえず、”帰国後の感想”としてIMDでの一年間の体験が自分にとってどのような意味を持っていたのか、その「思うところ」を記しておきたいと思います。


まず第一に思うところは、IMDでの1年間は”現実”よりもより現実と向き合えた、ということです。

最初の半年間の土日も含めて毎日朝8時から夜の12時近くまで勉強する環境は想像を超えるつらさでした。入学してから3ヶ月ぐらい経過した頃から、「はやくこの異常な(Crazy)な環境から抜け出して現実世界 (Real world)に戻りたい」「こんなことは現実(Real world)では起こらない、IMDは特別な環境(Unusual environment)なのだから」などといろいろな言い回しで、「IMDは現実ではない」というメッセージが聞こえ始めてきました。

IMDに来る学生の平均年齢は31歳、勤務経験は7年程度と、他のMBAの学生よりも多くの国際的経験を積んでいます。しかし困難な課題を前に、心底悩み苦しまされることになります。そうして自分達が今まで築いてきた能力・知識が通用しない無力感に対する苛立ちから、この環境を「異常な環境」とすることで自らを正当化しているのかもしれません。それは自らを劣った存在として認めたくないという人間の”健全な”本能レベルでの拒否反応のようにも見えます。また、向上心と野心の高さだけは共通しながらも国籍や文化、性別、職歴など様々な点で多様性に富んだ90人が極度の肉体的・精神的なプレッシャーに晒されるわけですから、そこには「当たり前」といった共通の前提は皆無に等しく、グループ全員が納得するかたちで成果をだすことは難しいため、無力感を感じるのも至極当然であるともいえます。

逆にいえば、今まで経験してきた”現実”世界には、日常生活のひとつひとつの出来事に脳の力を使わずに深く考えることなく効率的な、ある意味では盲目的な対処を可能にする常識・慣習・権限といった「当たり前」があり、必要以上の無力感や徒労感を感じることがないようにまろやかになっているのかもしれません。そうした「当たり前」に疑問を投げかける者は社会の秩序という名の効率性を破壊する「悪者」であり、社会から抹殺されすらします。

しかし「当たり前」のないIMDでの1年間は、生徒間に公式の上下関係や役割分担はなく全員が同じ”MBA候補生”として横一線であるため、頼れるのは自らの人間性だけになります。一方では自分が「当たり前」と思っていた秩序に従わない他者は「悪者」として写りあたかも自分が秩序の番犬のような錯覚を抱きながら、他方では自分の「当たり前」があまりに通用しないことからそれに疑問をもち自ら秩序を変える「悪者」を演じる必要性を感じるという、なんとも訳がわからない状態に陥ります。そうした環境下において、”現実”世界では「当たり前」というオブラートに包まれて見過ごしていた自他の存在に改めて直面し、対応を迫られ、もがき苦しむことで、”現実”よりも生々しい現実を感じることになります。むしろ、そうした裸の勝負を通じて学んだからこそ、心の奥底にまで響く何かが残ったのかもれません。

裸で勝負するわけですから、裸になるための環境がしっかり整えられている点では人為的な現実であるともいえます。優秀な教授陣、洗練されたコース設計、すばらしい景色、おいしいランチ、監獄のような作業部屋、そして個性豊かな90人の生徒。しかし、これだけの土俵を整備せずには、スーツと名刺に保護された”現実”から離れることは困難でしょう。むしろ30歳を過ぎたおじさん・おばさんが恥ずかしげもなく裸で現実に向き合える土俵が整備されているIMDは真に稀有な場であると思うのです。

2008年11月8日土曜日

家族との生活(げん)

7月末に、娘が東京で生まれました。ちょうどIMDの夏休みで、東京に戻り立会いしました。この件に関してMBA Diaryにエントリーしましたが、リンクがこちらです↓
http://www.imd.ch/programs/mba/programstructure/diary_detail.cfm?articleId=4392

10月に、妻が2ヶ月の娘を連れてロザンヌにやってきました。今は、家族と一緒に最後の3ヶ月をロザンヌでゆっくり過ごしています。ICPが忙しいと言っても、拘束時間が全然短くなったから、毎日家にいる時間が圧倒的に増えました。もし、家族と一緒に来る予定があれば、夏休み後に来てもらったほうが絶対いいんです。前半だと、殆どあえないと思うし、学校に専念したほうがいいと思います。

今週僕のICPが終了したから、毎日午後家族とレマン湖に行って散歩してくるか、町中心のサンフランソワのスタバーに行って、本を読んだりしています。

秋のロザンヌがとてもきれいです。まだ天気があまり寒くないし、とにかく木の葉っぱの色が鮮やかできれいです。空気が本当に澄んでいて、お腹いっぱい吸うと全身の細胞が喜んでいることが分かります。

この頃になると、ロザンヌがいいところだなぁと思うようになります。クラスメートもみんな口を揃えて言います。しかし、ここがFairy Taleの世界です。いろんな意味で、too good to be true。

実は今僕の心境は、早く”現実”に戻りたい気分です。

2008年11月3日月曜日

11/3 卒業式の1ヶ月前(トモ)

ついに卒業式まで残り1ヶ月となりました。

残り2週間のICPに土日も学校にきて忙しくしているチームもあれば、早々と終了し学校にはランチのためだけにくる生徒もいます。就活の状況はといえば、Offerをもらった生徒は正式な契約を結ぶ段階にきているようです。おそらく再来週から選択科目の授業が開始するのでその前には、ということでしょうか。一方では遅々としてすすまない面接プロセスを根気強く進めている生徒も多くいます。各人それぞれの状況の中でなんとなく忙しない日々をすごしながらも、残り1ヶ月という事実だけは全員平等に課せられた現実です。

先週の金曜日と今日、IPE(Internaltional Politics & Economy)のクラスを担当したJean-Pierre LehmannからIMDのマネジメントならびにMBAの生徒にむけてメールが送られてきました。内容はMBAの校舎のまわりの樹木を取り除き新たにつくられた駐車場についてです。彼のメールは冒頭から、樹木がなくなったのを見て今年これほどまで怒り心頭に達した経験はない、と強い口調ではじまり、21世紀における"進歩"とは、多くの樹木や自然とより少ない車とコンクリートであり、IMDのこの行為は"Vandalism(公共の破壊)"であると厳しく糾弾しています。

その上で現在の金融バブルの崩壊も、金融システムの破綻ではなく、現在の社会が有する価値観や社会システムそのものの限界を示すものであり、現在の方向のまま今後も世の中がすすめば、「最善の場合でも、唯物主義的な価値観から、より精神的な事柄、人と人との関係や人間性に着目した価値観への転換が起こるだろう(Perhaps the most optimistic scenario that could come out of this great disruption is a major shift in values, less materialism, more attachment to spiritual issues, to relationships, to humanity)」と警鐘をならしています。

このメールをもらったときMBAの大半の反応は、JP(Jean Pierreのこと)はいったいどうしちゃったんだろう?、的な半ば失笑ともとれる態度が、少なくとも表向きは多かったようです。ただ、たしかに自然の代わりにMBAの校舎の周りに現れた新しい駐車場を通り過ぎてみると、こうした態度こそがJPの危惧しているものであり、根本的なところから考え直さなければならない時期が来ている、というJPのメッセージはJP的なProvocative(挑発的な)な内容ということを差し引いても本当に考えなくてはならないのかもしれないのかなぁ、とふと哲学したりしてしまっています。秋ですから。

こんなことを呑気に考えていられるのも残り1ヶ月。サラリーマン生活に戻ったら考えることのないかもしれない"よしなし事"を、IMDという知的刺激には事欠かない環境で考えてみるのも、残り1ヶ月の贅沢な過ごし方かもしれないなぁ、という心境の今日この頃なのでした。

2008年10月28日火曜日

10/28 就活の進展(トモ)

いよいよICP(International Consulting Project)も最終Phaseを迎えました。

今週の月曜日の朝一には、ICP CoordinatorであるJames Hendersonが最終Phaseの重要性について再度説明していました。が、出席者38名。中にはICP関連で出張に出ている生徒もいましたが、やはり就職活動の影響が大きいようです。最後の質疑応答の中にも「ICPは大変魅力的な取り組みであるが実施期間については再考の余地があるかもしれない」と暗に「就活に専念させてくれー」という心の叫びが聞こえてくる発言もありました。Jamesも状況をよく理解した上で「君たちは世界トップのMBAの生徒だ。自分たちを誇りに思いたまえ。君たちならICPと就活ぐらい同時にできる。そして間違いなく就職は決まる。」と、励ましのエールを送ってくれました。

ICPは4つのPhaseに分かれており、Phaseごとに担当教授とクライアントにプレゼンテーションが必要になります。チームによっては頻繁に出張があるチームもあり負荷はまちまちですが、会社がIMDを訪問して企業説明会をする期間も別途設けられていること、数日間は企業を個別に訪問するための休暇も公式に設定されていることからも就活と同時並行できる範囲に負荷が設定されていると思います。

むしろ1年間という限られた期間を考えると、この時期に授業をすることは固定的に時間が割かれるため現実的ではないこと、個人作業、チーム作業を使い分けることでプロジェクトであれば柔軟に時間を使えること、さらにはスイスの山奥で半年以上も武者修行をして浮世離れしてしまった感性を徐々に現実世界に戻すことなどを考えると、この時期のICPは個人的にはうまい設計だと思います。

しかしながら、これらの意見は"まったく就活をしていない"という小生の意見かもしれません。今週の時点で最低でも1社からOfferをもらっている生徒はおそらく半分にもいまだ達していないようです。また金融危機のために採用プロセスを途中で打ち切る企業や、Offerを出していながら勤務開始時期を大幅に遅らせる企業などもでています。こうした状況下では心理的な不安はかなり高い状況にあると思われます。

今日はDiwaliというインドの大きな祭日でもありました。偶然でもあるのですが、チームメンバーのMattの発案で、朝から部屋に電気コンロ、卵、小麦粉、数々のトッピングを持ち込み、みんなでパンケーキを焼いてワイワイ食べました。自分たちでお祭りをして、残された時間を最大限活用するために自らを奮い立たせてがんばっているのかもしれません。生徒89人とすごす期間もあとわずか、ファイナルカウントダウン(←ふるすぎ)がはじまった感じです。

2008年10月5日日曜日

10/5 最後のリーダーシップペーパー(トモ)

来週の月曜日は第三回リーダーシップレポートの締め切りです。

リーダーシップレポートというは、IMD MBAの中心コースとなっているリーダーシップクラスの課題で、1年を通じて全3回あり毎回テーマは異なりますが苦しみはだいたい一緒です。

今回で3回目なので自分なりの書き方というのができてきたのですこし記しておきたいとおもいます。

まずは日々の学校での出来事、思考、行動、発言などについて回想していきます。その中で特に思い出すだけでもムカムカしてくる!!!というものや、かなり凹んだ、というような事件をできるだけ詳細に思い出していきます。ここでは気持ち的なボルテージが高ければ高いほど良しとします。だいたいこの作業を終わらせるのに1週間ぐらいかかり、夜の眠りが浅くなります。そして、そのままレポート書くモードに突入すると、痛烈な他人の悪口か、もしくは反省文になってしまうので、2-3日しばらく放置します。

そして気分を入れ替えたところで、もう一度いろいろな自分のかかわった出来事を振り返り、できるだけ他人事として少し離れて客観的に見たときに、一体全体何が起こっているのか、というのを考えます。できるだけ自分にまつわる夜も眠れない出来事を、ああ、あるある、そういうこと、みたいなノリで味気のない客観的な文章として書いていきます。ここでもし事件が足りなかったらダンジョン(グループが勉強している部屋)に戻り、すこしヤンチャな行動をすると、すぐに夜も眠れない記憶が手に入ります。

この思考作業を頭の中で一定期間繰り返していると、ある一定のパターン、大きな法則のようなものが見えてきます。それがもっともらしいか、自分の中で具体的な出来事に照らし合わせて確かめて、よさそうであれば、それをレポートに書き込んでいきます。それをまとめたものがリーダーシップレポートになります。

クラスの中でもリーダーシップレポートになんで点数をつけるのかがよくわからない、点数の基準がわからない、そもそもJack Wood(リーダーシップクラスの先生)が嫌い、などと意見はかなり分かれるのですが、個人的にはこの作業がIMD MBAの醍醐味でありもっとも発見が多い課題だと思います。

と、レポートを前にブログの世界に現実逃避をして気分転換をしながらも、
自己嫌悪な反省文にならないように一生懸命考えたいと思います。
(最近は絵をかかなくなりyoutubeで安易にしめくくっている・・・)

2008年9月25日木曜日

9/25 就活の状況(トモ)

想像していた以上に大変、というのが今年の就活の状況ではないでしょうか。

先週、今週と2週間にわたりIMDキャンパスでの採用活動が行われていますが、かなりみんな疲れてぐったり、という感じです。IMDのキャリアチームから聞いていた昨年のイメージだと、15社程度面接して6-7社が二次面接、最終的に3社ぐらいから採用のオファー、という感じでしたが、そうは甘くいかないようです。

やはりどうしたって市場の状況に大きく影響されてしまうのでしょう。リーマンブラザーズ、メリルリンチ、AIGが経営破綻。そしてまだなにがでてくるかわからない状況下では採用する企業としてもガンガン事業拡大・人員増強!!!というわけにはいかないのではないでしょうか。IMDは、金融やコンサルティングではなく製造業などのインダストリーに強く、欧州で強い知名度があるということもあるので、米系・ファイナンス中心のMBAと比較すればましなほうだとしても、それにしても大変、というのが感想。

ちなみに僕が大学生として最初に就活したのが1998年。当時はバブルがはじけて金融機関が危ないといわれていたことや、いまは懐かしい響きすらするアンダーセンコンサルティングをはじめとした、いわゆる"ビッグ6"といわれた監査法人系のコンサルティングファームが拡大していたこともあり、コンサルティング会社に行った学生もかなりいたような気がします。そして10年たって2008年になったらいまやビッグ6といわれた監査法人もいまや"ビッグ4"。その間に山一證券や日興証券などが買収されたかとおもったら、今度は野村が北米を除くアジア・欧州・中東のリーマンを買収。

これだけ"一寸先は闇"という先が読みにくい状況の中では、その時点、その時点で、最良と思われる選択をしながら仕事や会社をえらんだとしても、数年後にはどうなるかわからないので、長い時間のなかで"点(=ポジション)"をどのようにつないで"線(=キャリア)"にしていくかを考えることがとても大切なような気がします。もちろん先が読めない状況では長い線を引いたとしてもそれがそのとおりになるわけではないのですが、意思決定を迫られた際にそうした長い線をもっていることで何が自分にとって最良か、というのがある程度しぼられてくるのではないでしょうか。

と、うんちくを語ってみても、やっぱり"問題は今日の雨" - http://www.youtube.com/watch?v=ojb6rjenlHI

2008年9月11日木曜日

9/11 就活の本格化(トモ)

だんだんと夏の暑さが和らいできました。1月の入学当初の朝8時はまだ夜が明けた直後という感じで薄暗く、帰宅時には真っ暗というまったく"お天気関係なし"の生活でしたが、いまではレマン湖・湖畔の素敵な環境にいることに心から感謝です。それだけにだんだんと日が短くなり気温がさがってくるのを感じると、晴れの日が本当に貴重なものに感じられるのかもしれません。昨日もランチのためにカフェテリアに向かう途中でPeter(Denmark)がベンチで日向ぼっこをしているところに、Erik(Sweden)が「人生楽しんでるね」なんて声をかけていました。今日は雨が降ったり晴れたりの変な天気でしたが、やっぱり晴れるとなんだかうれしい気分になります。

来週から二週間はいよいよ本格的な就職活動期間です。企業の担当者がIMDまで足を運び、書類選考を通過した生徒とキャンパスにてインタビューを行います。今日のランチもその話題でもちきりでした。

だれがこの会社の書類選考を通ったか知っている? とか、あの会社の給与って結構安いの知ってた?とか、その国は給与高いけど税金高いから結局どうなの?とか、モチベーションレター(志望動機みたいなもの)を書いていると本当に自分が何がやりたいのかわからなくなった、とか、今後のライフステージを考えるといまさらコンサルティング会社にはいけないよな、とか。

MBA取得というのは授業料+働かない期間の給料の「投資」であり、その後どれだけ「リターン」を得ることができるのか、というのがここにいるみんなの意見なのではないでしょうか。それだけに人生の大きな分岐点のひとつとして、本当に必死にとりくんでいる人がほとんどです。多い人では40社近くモチベーションレターを出している生徒もおり、呑気に見える生活とは裏腹に先が見えない不安感からくる心理的なプレッシャーは結構あると思います。ただ、卒業後の多くの可能性を求めてIMDにきたとしても、あまりにたくさんの選択肢は悩みを増やすばかりです。

そんなところに11月に予定されている選択科目のひとつであるリーダーシップクラスの選考結果が返ってきました。ちなみに僕の結果は「要・再提出」、期限は来週月曜日まで。来週からは人生の大きな分かれ道のひとつがかかっているインタビューで忙しいのに直前の連絡と短い締め切りに大激怒の人もいました。

あいかわらずやってくれます、IMD。前半6ヶ月の気持ちがよみがえってきました。

2008年8月30日土曜日

8/30 ICPのスタート(トモ)

先週からICPがはじまりました。8月18日から第一フェーズがはじまったのですが、その前からすでにクライアントのもとへ飛び立つチームもあり、変な感じがしました。プロジェクトは全部で20個弱あり、1チーム4人から5人で構成されています。僕のいるチームはErik(Sweden)、Matt(US)、Sonal(India)とTomo(Japan)の4人チームでクライアントはDenmarkの企業です。来週、第一フェーズのプレゼンテーションをデンマーク本社で行うため今日は朝からダンジョンに来ましたが、他のチームもプレゼンテーションに向けて朝早くから来ていました。

ICPももちろんプレッシャーなのですが、それだけでなく就職活動が少しずつ本格化してきており、毎日の挨拶も"どうよ調子は?"という感じからすこし冗談混じりながらも"いい知らせはあった?"というな挨拶もちらほら。いままでのように90人全員一緒でがんばる、というわけではなくなり、卒業式のスピーチやアルバムの話などもでており、なんとなくソワソワした雰囲気を感じます。

とはいっても、前半戦のような厳しい毎日とは異なり、それなりにリラックスした時間もあります。いよいよ残り3ヶ月。カウントダウンがはじまっている感じです。

2008年8月16日土曜日

8/16 嫁の生活3 (トモ)

夏休みでお休みしていた日本食材屋さんが今日からオープンしたので嫁は"めんつゆ"を買いにでかけました。学校のそばには「コチ」、街中には「ウチトミ」という二件の日本食材屋さんがあるので、なにかと助かります。ウチトミでは外人さんも見かけます。ちなみに外人さんには「チョーヤの梅酒」が人気のようです。

町の中心にあるGLOBUSというスーパーの地下にある食料品フロアには、海苔とか寿司セットとかむき海老とか売っているので、外食だけでなく寿司は人気があるのかもしれません。以前に嫁がパートナーを呼んで家で寿司教室をやった際にはここでいろいろと調達したようです。

IMD MBA生徒の平均年齢は30歳ぐらいなので結婚している人も結構いて、生徒と一緒にやってくる奥さんや恋人など、通称パートナーは20人ぐらいいます。IMDはそうしたところまで配慮し、パートナーの活動をとりまとめてくれる人(マチェラさん)がいたり、いろいろと集まる機会や場所なども提供してくれます。月一回パートナーランチと呼ばれるパートナーがランチに同席できる日もあります。もちろん学内の図書館やカフェテリア、ジムなども使用でき、パートナー専用の部屋まで用意されています。

生徒は日中学校にいて、特に最初の半年は朝8時前にでかけて夜遅くまでグループワークがあるので、パートナーのケアも結構大切だったりします。44カ国90人からなる生徒のパートナーなので、当然多様性に富んだグループになり、パートナーの中にもIMD的なグループダイナミクスがあるようです。パートナーもIMDライフを満喫していることでしょう。パートナーはパーティーなどにも参加するので、生徒間で家族ぐるみでつきあうこともあります。IMDの生活は、本当に家族としていろいろな機会に恵まれていると思います。

来週からIPCがはじまるので、今日は特に宿題もないので気楽です。今日はダイエットのため午後からジムに行き、夕方から嫁の学校の友人も交えてバスケットしてきます。ローザンヌの夏、満喫したいと思います。

2008年8月9日土曜日

8/9 嫁の生活2 (トモ)

ローザンヌはフランス文化圏のため、日常生活にはちょっとしたフランス語が求められます。IMDのMBAオフィスが日常生活の細かいことも何かとサポートはしてくれるので、やたらにくる謎の請求書や大家さんとのやりとりなどはなんとかこなせていますが、やはりフランス語が片言でもわからないと困る場合もあります。たとえば、レストランとか買い物とか。

嫁さんは今年の1月ぐらいから街中のフランス語教室に平日の午前だけ通っています。途中、夏休みなどで行っていなかった期間もありますが、現在でだいたい半年ぐらい勉強していることになります。前半戦は、毎日7時過ぎには家をでて夜遅くに帰ってくる生活だったので日常生活のことはすべてまかせっきりだったのですが、いつのまにか上達していたようで、夏休み中にスイス国内をぶらぶらしたときに嫁がフランス語でコミュニケーションできていることにびっくりしました。僕はまったくフランス語がわからず、嫁さんがフランス語をしゃべらないといけない状況というのはだいたい何か困った時なので、そんな時だけ調子よく尊敬のまなざしでみてしまいました。

先日は、クリーニング屋さんに出してもらっていた自分のズボンを嫁の不在中に取りに行ったのですが、店員さんは容赦なく身振り手振りなしの洗練されたフランス語のみでコミュニケーションをとろうとしてくるので、こちらは身振り手振りのみの原始人のようなコミュニケーションをとってようやく自分のズボンを回収してきました。30歳を過ぎたおじさんが自分のズボンを回収するためだけにあたふたしている姿は傍目にあまりいいものではないかもしれません。嫁に感謝の一言です。

2008年8月2日土曜日

8/2 嫁の生活1 (トモ)

夏休みも終わり、今週から後半戦がはじまりました。前半戦の苦しい日々をすっかり忘れてしまうぐらい充実した夏休みを過ごせたので、約三週間ぶりにみんなと顔を合わせるとなんだか懐かしい感じすらしてきました。月曜日からさっそく危機管理やネゴシエーションといった実践的な授業がいきなりのハイテンションではじまり、いろいろと記しておきたい(かつ愚痴りたい)こともあるのですが、まだはじまったばかりなので心の中でドロドロと醸成するまでしばらく置いておくことにして、今回はうちの嫁さんとの生活について少し書きたいと思います。

今日は久しぶりに嫁さんと昼前にCOOPへ買い物に行きました。ここローザンヌでは日曜日に大半のお店が閉まってしまうので土曜日は重要な買出しの日になります。スイスにはCOOPとMIGROという二つの大きなスーパーがあり、買い物はだいたいどちらかに行くことになります。嫁さんはCOOPが好きなようです(恐らくMIGROにはお酒が置いていないからだと思われます)。

スーパーの様子は日本とほとんど変わりませんが、野菜や肉、魚が量り売りなのが少し日本と違うところです。たとえば今日はトマトを買ったのですが好きな量だけカゴからとってビニール袋に入れ、備え付けてある量りにおくと値段のついたシールがでてくる仕組みになっています。2つで0.80CHFぐらい。肉や魚は保冷ケースに並べられていてお店の人に頼んで包んでもらう必要が有ります。肉コーナーの中にはたまにウサギさんなども並べられているので慎重に肉の正体を見極めながらも、最初のころは勇気をふりしぼり指差しジェスチャーで購入していたようです。最近の嫁さんはフランス語教室のおかげで片言のフランス語がしゃべれるようになっているので、きょうはイワシを6尾、難なく買いました。6CHFぐらい。

あとは昨日8月1日がスイスの建国記念日だったこともあり、お酒コーナーでお気に入りのスイスの白ワインが8CHFから6CHFに割引されていたので4本と欲張って買いだめ。

そんなこんなで結構な量を買い物し、これを両手に抱えてアパートまで歩いて帰りました。ローザンヌの夏は想像以上に暑く坂道も多いため、家につくまでは少し汗をかく感じでちょっとした運動になります。そう考えると嫁さんの生活も結構楽ではなかったりするのかなぁ、と思いました。

前半戦は学校に行っている間にこうした買い物・掃除・洗濯など、すべて家事をこなしてくれていたので本当に助かりました。後半戦はすこしお手伝いしようかな、と思う週末の昼下がりでした。

2008年7月24日木曜日

IMDでの6ヶ月、そして後半スタート(あっきー)

7月から待ちに待った夏休み。今、Bayonneというスペインの国境近くの海沿いの町に来ています。

IMDでの生活も、インテンシヴなプログラム前半を終え、これまでの半年の道のりが、走馬灯のように頭の中を駆け巡ります。最初の5ヶ月間は、毎日AssignmentsとGroup Worksで、怒涛の日々を送っていたため、物事をじっくり考えている暇もなく、とりあえずその日その日をやりくりするので精一杯だったので、時間ができたら、あれもこれもやりたいと思っていたのですが。。。

同級生とも話したのですが、テストも終わり、急に拘束がなくなり、いざ自由な時間ができると、とたんに拍子抜けしたような不思議な感覚に満たされるものです。自由時間といっても授業後の6時くらいからですが、一日に6時間近くも自由時間があるというのは、これまで半年間経験したことのない自由度なので、1時間の価値が1日分くらいに感じられました(笑)。

さて、テスト後夏休みに入る前に、Discovery Tripというのものがあります。IPE(International Political Economy)の授業の一環なのですが、発展途上国に直に足を踏み入れ、実際に現地の経済や政治、文化の一部を体験しながら、将来Global LeaderとしてBusinessを動かしていく際に、何が大切なのかを、考察するのが目的です。

今年はKenyaに行きました。10日間ほど、ナイロビとナイバシャに滞在し、前半は主に現地の企業化、企業のトップ、政治化(Ministers)等とのConference、後半は、サファリーやスラムを訪問し、現在Kenyaが抱えている問題や今後の経済発展に向けての課題を検討をしました。特にスラム街では、現地の子供たちと直接接触する機会があり、胸を打たれるものがありました。言うまでもなく、TVや本で見ているのと実際に眼と眼でコミュニケーションをするのとでは、感じ取るものの大きさに違いがあります。

Discovery Tripの後の3週間の夏休み。Program Directorも言っていましたが、この休みは単なる休暇ではなく、Trip中に感じたことをゆっくりと時間をかけて消化するための期間でもあります。6ヶ月間走り続けてきたからこそ、また3週間という自由な期間が、これまでになく貴重に感じられました。

いざ夏休みに入り、気づいてみるともう残り数日。。。リラックスした休暇もつかの間。来週から、また授業再開です。リフレッシュして、パワーアップした仲間との再会が、今からなんとも楽しみです。

あっきー

2008年7月3日木曜日

7/4 アフリカ旅行の感想3 (トモ)

6月29日、ナイロビ市内最大のスラムのひとつであるKorogochoのSt. John Catholic Churchを訪問しました。半分野外のスタジアムのようなバラック屋根の教会で、壁には黒人のキリストが描かれていました。そこで、地元の人たちに混ざりミサに参加しました。Father Danielは、大半をスワヒリ語で、ときどき英語で話されていました。2時間ぐらいの間、聖書の言葉を聞いたり、みんなで歌を歌ったり、Korogocho出身で博士号を取得した人をみんなでお祝いしたりと、楽しい雰囲気でした。ミサのあとFather Danielを囲んでKorogochoについていろいろと話を聞きました。Father Danielの「スラム街の人たちは世界がどのようにものであるかのVisionを必要としている。カソリックはそのひとつに過ぎない」という言葉が印象的でした。

昨年末から今年の初めにかけ、大統領選挙の不正選挙の疑いが民族間紛争に発展した際、まさに教会の前の通りを境に異なる民族に別れてKorogochoの人々が争っていたそうです。多くの場合、国家、民族、宗教といった概念は支配層により後付け的に統治システムとして形成されたもので、アフリカにおいても市民層は受益者よりも犠牲者となっていることのほうが多いと感じました。Korogochoには、ケニアの貧困層だけでなく、より大規模の民族紛争のあったルワンダスーダンからの難民も含まれているそうです。Father Danielは、劣悪な環境の中に身を置かざるをえないKorogochoの人たちに、そうした統治のための概念ではなく、世界とのつながりを提供し心身ともに健康な生活がすごせるようなVisionを提供しているように思えました。

植民地化の傷跡、爆発的に増え続ける人口、貧困、HIV、民族紛争、宗教による対立、汚職、高騰する食料価格・エネルギー価格、領土紛争、環境問題。どう組み合わせても解決することのできない絶望的なジグソーパズルのようです。 それでも世界は発展を続けようとしています。しかし現在先進国と呼ばれる国々がかつて通ってきた道を、現在発展途上国と呼ばれる国々がいま再び"発展"の名の下に通ろうとしていることをだれが拒むことができるでしょうか。またグローバライゼーションにより世界中の貧富の差がますます拡大しているとも言われています。こうした状況において、われわれは本当に"発展"しているといえるのでしょうか。

Korogochoの子供たちはいい笑顔をしていました。われわれはあの笑顔に救われているような気持ちがしました。

7/3 アフリカ旅行の感想2 (トモ)

6月26日、Nairobiから車で2時間ほどのNaivashaにて、生花ビジネスを営むHomegrownを訪問しました。 生花ビジネスはケニアの重要な輸出品目であり、欧州市場にてトップシェアを握っています。

Homegrownは、生花育成に最適な日光の強さ(intensity)を有するNaivashaの地の利を活かし、精緻なサプライチェーンと低人件費により国際競争力を獲得しています。生花の種類ごとに育成方法や注意点、カット方法などが異なり、従業員の長期的な技能向上が重要となるため、Homegrownでは従業員の7割を正規雇用としているそうです。このような遠隔地においても、優秀な人材の確保、絶え間ないカイゼンとInnovationを追求することで国際競争力を保っていることに本当に驚かされました。

特に記憶に残っているのは、HomegrownのGeneral ManagerであるMr.Wemer Griesselが、経営における重要項目として"Sustainability"を掲げていたことです。Naivashaの生花ビジネスはLake Naivashaの水に依存しているため、湖の周辺をとりまく自然環境の保護が必須となります。従来は地面に吸収されて地下から湖に戻っていた雨水が、近年では森林伐採により地表を流れ土と一緒に湖に流れ込むようになっているとのことです。森林伐採の背景には利益率の高いコーヒー・茶の農地の開拓、薪、住居空間の確保などがあり、現在のペースでは将来的にLake Naivashaがなくなることは確実だそうです。

そこでHomegrownを含むLake Naivasha Growers Groupでは、Lake Naivashaの水の利用量に応じて農家に課金することで効率的な水の利用を促すだけではなく、上流地域の社会と協力してお互いに繁栄を維持できる方法を模索しているそうです。更には、いくつかの農園では敷地内に独自の汚水処理施設を設置しLake Naivashaに綺麗な水を戻すようにしていました。政府の規制や援助金などは一切ないためすべての農家に汚水処理施設の設置を強制することはできなくても、100年、200年先のビジネスと自然環境のSustainabilityを考慮し、一般的には政府がすべきと考えられる市場の失敗にも自発的に対応しています。

19Cから20Cにかけて「未開な人々を文明化する行為である」という"高邁"な理由によりアフリカの植民地化は正当化されていました。現在はグローバライゼーションの名の下に、世界中にあり余る金融資本が投資先を探してアフリカの奥地にまで流れ込んでいます。Homegrownもその流れの一部ともいえます。Homegrownのビジネスは、アフリカの郊外までもグローバルの市場システムに関与させ、長期的かつ全体的な視野を通じて自然環境の保護とビジネスの発展を両立させようと試みています。こうしたグローバライゼーションは後世においてどのように評価されるのでしょうか。

現在のところグローバライゼーションについて、世界規模で貧困層を搾取する新たな植民地政策と糾弾する意見もあれば、技術と富の分配を促す傾向と支持する意見もあります。少なくともHomegrownのケースはグローバライゼーションの素晴らしい可能性を示しているように感じました。

2008年7月2日水曜日

7/2 アフリカ旅行の感想1 (トモ)

6月20日から6月30日までの旅程でDiscovery Expeditionでアフリカのケニアに行ってきました。多くのゲストスピーカーのプレゼンや各所の視察を通じ、政治、経済、社会、文化といろいろな角度からケニアについて考える機会を与えられました。帰り道にみんなと面白かった内容・つまらなかった内容を話したのですが、各人の興味により評価も様々であることもわかりました。BenoitのClosing Speechのとおり、このDiscovery Expeditionは自分の知らない外の世界の発見であるとともに、自分の中にある未知の世界の発見でもあったのだと思います。備忘録もかねて自分が個人的に面白いと感じた内容についていくつか記しておきたいと思います。

6月25日午前、Equity BankにてCEOのMr. James Mwangiのプレゼンを聞きました。Equity Bankは、従来銀行口座をもてなかった低所得者を対象にに金融サービスを提供するマイクロファイナンスで急成長を遂げています。土地や家屋を有さない低所得者は一般の銀行から融資を受けることはできません。そこでEquity Bankでは、たとえば未亡人であれば信仰心が高いことに着目し地域の教会の神父さんを、未成年の男性であれば叔父があらゆる進路の相談役となる社会的風習に着目し叔父を保証人とするなど社会の仕組みに注目し独自のビジネスを展開しています。

Equity Bankがマイクロファイナンスを通じて利益を上げているだけでなく、低所得者の生活レベルの向上に貢献していることに大変感銘を受けました。多くの企業がCSRの重要性を訴えている中で、マーケティングの一環として後付的に、時には偽善的とさえ感じさせるケースも見受けられます。 しかしEquity Bankの場合は、ビジネスそのものが価値の創造と社会の貢献を両立させるモデルになっていると感じました。このモデルにはCEOのJamesの価値観が強く反映されているよう印象を受けました。彼は”An organization cannot be better than its leader”と述べ、リーダーとして公共の利益を考えることで自らを人格的に高める必要性を感じているよう見受けられました。こうした彼の価値観が市場や社会に価値を提供するだけでなく、従業員にも生き甲斐を与えているように思います。女性役員の一人が”The bank gives me a reason to live”と言っていたのが大変印象的でした。

Jamesはプレゼンの最後にケニアが抱える課題として”Decolonize(脱植民地化)”を挙げていました。『ヨーロッパによるアフリカの植民地化で多くの人が自尊心(Self-Esteem)を失っており、アフリカ人としての誇り(Pride)の再構築が重要である』と述べていました。他のゲストスピーカーも『何でもか何でもすべて植民地時代のせいにするのはそろそろやめるべきだ』という意見が若者の間から出てきているということを指摘していました。いずれにしてもアフリカの心は独立から50年近く経った今でも深く傷ついたままなのでしょう。そしてJamesはEquity Bankというビジネスを通じ、植民地時代のことを忘れるのではなくアフリカ人としての誇りを取り戻すことで過去を乗り越えようとしているように感じました。

2008年6月14日土曜日

6/14 就活の心得(トモ)

先週でテストが終わり、今週からいよいよ就活モードに入りました。昨日は名立たる企業が学校にて会社説明を実施しました。今日は午前中に昨年の卒業生がきて昨年の就活の体験を共有、午後にはインタビューの練習、夕方からはネットワーキングの練習、としてカクテル。先週までの膨大なケースとアサイメントの日々から一変、なんだか穏やかな一週間でした。

IMDのキャリアサービスチームがアドバイスしていた「成功の秘訣はターゲットを"20社"に絞り込むこと」という、絞り込むどころか手当たり次第受けろ的にも聞こえかねないコメントについて揶揄する発言も聞こえてきますが、やっぱり就活の中で自分のやりたいことや興味のあることを発見していくのが王道なのでしょう。実際の体験から学ぶLearning in Action、IMDの真髄といった感じです。僕は転職を2回していますが、日本の就活だととりあえず自己分析が一番大事!!!的なノウハウ本を買ってきて就活の心得をふむふむと読んだりしながらも、実際にはいろいろな人の話を聞く中で意思決定していくというそのへんの様子はとても似ているなぁ、と感じました。

自分のやりたいことや使命感が明確なのがベストな状態だとは思いますが、実際にはなかなか難しいことだと思います。本当に自分のやりたいことが明確で確固たる決意をもっている人はきっと世の中の1%いるかいないか、なのではないでしょうか。涙が止まらないような強烈な体験、素晴らしい師との出会い、夜も眠れない問題意識、そうした「きっかけ」がないことには、この1%に入るのは難しいように個人的には思います。そうでない残りの99%に属する僕としては、たとえそれが偶然に与えられた機会であったとしても自分の目の前のことをとにかく一生懸命取り組み、できれば好きになって打ち込めるようになれれば良いと考えています。孔子様だって「30にして立ち、40にして迷わず」ですから。

2008年6月1日日曜日

6/1 テスト前の勉強(トモ)

残りいくつかの授業はあるものの、ついにBuilding Block IIもほぼ終了し来週からはテスト。今回はAccounting, Finance, Strategy, International Political Economyの4教科。

昨日の夜は息抜きということでJoonwon、Alex、Nachoと、すこし遠くの公園(といっても学校から徒歩15分ぐらいのところですが)までバスケットの遠征試合。近所の高校生らしきグループと、一人できていた大学生らしき人を交えてフルコートで試合。まったく体は動かないわ、相手はうまいわで、本当に疲れました。最後の方でNachoが足を痛めて退場、ベンチで見学していたおじさん風の人に声をかけてメンバーに加わってもらいました。頭をポマードで固めて白いTシャツにジーパン・革靴というロカビリー風のおじさんにも関わらず、高校生に負けないアクティブな動きにびっくりしました。帰りはNachoがほとんど動けない状態だったので、Nachoの代わりに車をとりに行きました。教習所以来のマニュアルカー運転のため、チョロQのように進んではとまりを繰り返すかなりぎこちない動きでなんとか前進するTOYOTA COROLA。どうにかNachoのいるところまでこぎ着けて運転を交代し家まで送ってもらいました。運転しているときは足はそれほど痛まないとのことでしたがかなり心配です。(結局、病院に行ったら骨折していたとのこと。)

今日は昼から勉強をはじめたのですが、個人的にはAccounting以外はどのように勉強したらよいかわからずまったく手付かず。明日の月曜日(6/2)はリーダーシップペーパーII(Rewrite)の締め切りであることもあり、午後のほとんどの時間をペーパーに費やしました。

しかし学生時代の試験前とあまり変わらず、なんだか忙しいときほど音楽とかが聞きたくなるのです。結局は今日はろくに勉強せず。明日は一日試験の準備日にあてられているのでしっかり準備したいものです。

2008年5月19日月曜日

Warren Buffett visiting IMD (げん)



明日ウォーレン・バフェットがIMDにやってきます。






バフェットの株主宛の年次報告書がとてもウィットが富んでいて、ユーモラスに自分の成功と失敗や、経済界のニュースを取り扱っています。株主と報告書を使って会話をしているみたいです。時間があったら、ぜひお勧めします。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2007ltr.pdf

世界一のお金持ちですが、ずっと1958年に$31500で購入 した家に住んでいます。↓











ウォルマートの創設者Sam Waltonと同じく、金儲けに興味あるが、使うことに関して淡白のようです。

明日質問タイムがあるかもしれないから、今質問を準備していますが、悩ましい。。。。なぜかと言うと、バフェットの投資方針が僕のLittle Brainには理解できないところがあります(当たり前ですが)。彼がシンプルで更なるオーガニックグロースを期待できるビジネスに投資してきたが、成熟した業界でオーガニックグロースをいつまで維持できるのかというのが私の質問です。ある期間でオーガニックグロースを期待できても、長期で考えると(バフェットが長期投資だし)Acquisition などを通して成長しないと勢いがいつか止まると思います。しかし、バフェット傘下の企業がほぼみんなお互いシナジーなしで独立で運用されていて、Acqusitionに対しても保守的です。それでは、長期的なグロースを期待できないのではないかと思っています。

バフェットの投資方針が”傘”に似ています。Capitalを提供しますが、企業の経営に対して基本的に経営陣に任せています。ある意味で、企業をMarketから守っているように見えます。Marketには様々な投資家がいます。かなりの数が短期リターンを追求するために企業の長期的な価値を犠牲にさせてきました。そこで、バフェットが優良企業の株を全部(少なくとも80%)を買占め、傘下に置き、企業の長期価値を高めるようマネジャーに要求してきました。短期の株の上下に関して、一切文句言いません。マネジャーがこういう環境の中で、安心して企業価値の創造に専念できます。なかなか、凄い理念ですね。バフェット vs. Marketみたいな構図です。

明日何を質問しましょうか。追ってアップデートします!

2008年5月18日日曜日

5/18 残りの2週間(トモ)

あっというまにBuilding Block IIも残り2週間。

19日の週には久しぶりのリーダーシップの授業があり、前回提出したペーパーのフィードバックに加え、内面をえぐるディスカッションを久しぶりにすることにおそらくなるのだと思います。そして26日の週はStartup projectのいままでの総括。起業家と一緒に仕事をする中でどのような具体的な価値を提供し何を学んだかプレゼン。そしてその翌週にはBuilding Block IIのテスト。本当にあっというまです。

グループの仲間ともときどき話すのですが、会社にあるような役職や肩書きなど権限と考えられているものがまったくない中でこれだけ多様な人材が集まって混沌とした中で作業をするのは大変疲れるものです。英語が苦手でそれを言い訳にしてしまいがちな自分だけでなく、英語がNativeの仲間でも自信を無くし悩みそしてなんとかグループとして成果をあげながら何かを学ぶようにがんばっています。そういう意味では人生の中で二度とない貴重な時間を大切に過ごしたいと思います。神様からもう一度1月に戻っていちからすべてをやる機会を与えられたら、そのときは丁寧にお断りさせて頂くかと思いますが。

2008年5月12日月曜日

5/12 無意識の適応(トモ)

4月28日月曜日からはじまった週は5月5日月曜日締め切りのLeadership Paper IIに四苦八苦。5月2日金曜日の夕方からIntegrative Exercise IIが週末をはさんであり月曜日に終了。火曜日にはBuilding Block Iのグループと精神的にかなりくるグループフィードバックを実施。5月8日木曜日から5月11日日曜日までヨーロッパのMBA各校があつまり開催されるMBAオリンピック-MBATに参加。パリまで車で6時間の移動の間は各自ケースを読んだり昼寝で体を休めたり各国の状況について熱い議論をしたりと有効活用。今週はStrategyのGroup Assignmentに加え、いよいよICP(International Consulting Project)も開始。

すべてを完全にこなそうとしたら絶対に時間が足りないのにシドロモドロになりながらもなぜだかみんなこなしています。個人よりもグループで作業をしたほうがときには生産的でありときには非生産的ですが、1月からの作業を通じて知らず知らずのうちに「何か」を習得し、互いに助け合いながらなんとか乗り越えているのかもしれません。

自分としては自信をもって議論に飛び込むことに躊躇し「受け」の姿勢で臨んでいることに未だに悩まされていますが、一番多くの時間を過ごしたグループのメンバーからフィードバックとして、確実に変わってきている、と励まされるコメントももらいました。頭の中では常に思考が流れているのでどのように流れが変わっているのか自分では実感しにくいですが、それでも結果を見るとやはり知らず知らずのうちにぼくたち・わたしたちは環境に適応しているようです。 以下、JP(Jean-Pierre)が授業で何回か引用していた言葉。

"Survival will be neither to the strongest of the species, nor to the most intelligent, but to those most adaptable to change" Charles Darwin

2008年4月25日金曜日

4/25 今週の自分(トモ)

今週はひどかったです。

大量のArticlesに加えて、グループワークが2つ。おまけに先週末に風邪をひいてひどい咳で夜もあまり眠ることができず目が充血。来週末は金曜日から月曜日までIntegrative Exercise IIがありますが、なぜか月曜日がLeadership Paper IIの締め切りなので来週木曜日までに終わらせなければ。

来週はもっとひどいかも。

2008年4月16日水曜日

4/16 日本の役割(トモ)

先週からBuilding BlockIIがはじまりました。今日はIPE (International Economics & Politics)の一回目の授業がありました。『A) 世界の動きの先端にいる一握りの人たち、B) その流れを注意深く見守る人たち、C) あまり関心を持たない人たち、この3つのグループに中でグループCではなくグループBにいる人たちの要件は何か?』というのがクラス冒頭の問いでした。

まっさきに頭に浮かんだのは「自分が所属する社会の価値観をよく理解すること」でした。Professor Jean-Pierre Lehmannが最初にあげた要件は「Curiosity (好奇心)」でした。その後、今後のクラスで討議する課題に関連の深い生徒を何人か紹介する中でUSと日本について触れたときに「日本は80年代に優れた仕組みを持っていると考えられたが、今では国内に目が向いていて外の動きに対応できておらず優位性を失っている」というようなコメントがありました。自分の内向きな思考がまさに、Professorが指摘したポイントであったことに強い衝撃を受けました。

今日の授業ではIMFやWorld Bankについて討議しましたが、こうした難解なトピックでもいつも以上の活発な議論が交わされたことに驚きました。今まで如何に自分がこうした世界的なレベルの物事を考えてこなかったか痛感させられました。特に現代においては、1国内の課題というよりも国と国、地域と地域の”間”に深刻な課題が潜んでいるため、世界的なレベルで問題に取り組む必要があるよう感じます。

PDI (Personal Development Initiative)のカウンセラーさんとも、ときどき「日本」について話しをするのですが、世界において日本が国家レベルで戦後から抱えている問題の構造が、極めて極めて小さなレベルでですがまさに自分が今IMDで抱えている問題の構造と類似していると感じることもあります。今日のIPEの授業を通じて、日本が世界でどのような役割を果たすことができ、どのような価値を世界に提供することができるのか、こうした天下国家レベルでも物事を考える習慣を身につけたいと改めて感じました。

2008年4月5日土曜日

4/5 自分の役割(トモ)

昨日で一週間のテストがやっと終わりました。

午前は準備時間にあてられ、毎日午後から合計5科目のテストがありました。授業のスピードが早いため、内容と英語の二重苦でかなり苦しめられましたがグループの支えもありなんとか終了することができました。ある人たちにはまったくわからないような授業でも教授のように自信をもって説明できる生徒もおり、多種多様な経験の人材の集合であることを改めて実感しました。互いの強みを発揮し、放課後に生徒が助け合いながら知識を深めていたのが大変印象的でした。テスト前のこうしたグループや生徒間でのディスカッションは、授業とはちがった形でいろいろと学ぶ機会となりました。

こちらでの生活もすでに3ヶ月が経ちました。毎日を一緒に過ごすことになる7-8人ごとのグループ内に公式の役割・構造が存在しないため役割が固定的になることは不思議なほどなく、むしろ状況に応じて役割を変化させながらグループ全体として成果を上げていくことが求められました。と、こう文字にしてしまうといかにも臨機応変に役割をくるくると変えることができたかのようですが、実際に役割を変えるということは大変難しいということをいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、という程実感しました。やはり人の子、ついつい自分の「いつも」のパターンに陥ってしまいがちです。しかしそれでもときには衝突しながら、泣きそうになりながら、ドロドロの人間関係をやりくりしながら「変わらなければやっていけない」状況をつくりだすのがIMDの素晴らしい!?ところだと思います。

これでBuilding Block Iのグループでの作業はおわり、来週から新しいグループでの作業になります。新しいグループにおいてどのような役割をとり、グループにどのような価値を提供していくか、新たなチャレンジです。

2008年3月30日日曜日

まもなく試験だ(げん)

明日から一週間の中間テストに入ります。案の序、AccountingとFinanceに苦しめられることになってしまいました。でも、試験はなければまじめに定義、計算式などを覚えないから、あったほうがいいと思います。特にIMDの授業のスピードがとても早いので、すべての科目に関して今まで消化不良だったから、今復習しながら”こんな面白いことも勉強したんだ”と思っています。。。いけない、いけない。。。

Accountingの資料をウェブで探していたら、こんなものが出てきました!個人的にかなりInspirationを得ました!
http://www.youtube.com/watch?v=N6sNMp3eYpI&NR=1

2008年3月20日木曜日

3/20 音楽の不思議(トモ)

明日からイースター。はじめての連休。休みは、パートナーが来てゆっくり過ごす人、スキーに行く人、勉強の遅れを取り戻す人など、過ごし方はさまざまなようですが、とにかく「疲れた」というのがここまでのみんなの感想。1月からはじまり土日もプロジェクトワークや予習のため休めずただただ走り続けた3ヶ月。正直ここまでキツイと思いませんでした。

そんな生活の中で改めて音楽の不思議を体験しました。ちなみに僕は小さい頃に親に無理やりピアノ教室に通わされ1ヶ月で辞めてしまったぐらいなので楽器が弾けるわけでもないし特に音楽に詳しいわけではありません。ただ人生の節目や苦しい場面で音楽は結構キーワードだったりします。

IMDに来る前の一番大変な体験は上海での仕事です。同僚の中国人はびっくりするほど優秀な人たちばかりでしたが、僕は会社の中で唯一中国に常駐していた日本人だったこともありいろいろ苦労がありました。そんな中で上海での仕事を通じて知り合ったTさんのライブに行きました。上海でも有名なライブハウスだったのですが、そのパワーに何かとにかく心打たれました。以前から知っている曲でも、特定の場所や状態、気持ちにいると特別な力でいろいろと考えさせられてしまうのです。IMDに来る直前にもTさんの日本でのライブに行ったのですがそのときはまた違うことをいろいろと考えさせられてしまったのでした。

体の中にはリズムがあって、ふだんは自分のリズムなのですが、疲れたときには外からのリズムに影響されやすくなっている気がします。だから疲れているときに悪いリズムにのってしまうとひたすらダウナーモードになるし、Tさんがくれたような元気のでるリズムにのれば良いリズムに戻れたりするような気がします。よくわからない言い方ですが。

だから自分が悪いリズムに乗りそうなときは、良いリズムに戻す曲をもっておくと良いかもしれません。僕の場合は、社会人1年目にはじめて海外研修を受けたときにたまたま聴いてすこし気にいって、社会人3年目にはじめて一人暮らしをしたときにまだなんにも整っていない部屋でたまたま改めて聴いたときになんだかすごく不思議な感覚になった曲があります。しかも結構歌詞が好きだったりします。元気なときに聴くとかなり臭くて赤面なのですが、疲れているときに聞くとなんだかしみてしまうのです。
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Life Uncommon (Jewel) - http://www.youtube.com/watch?v=Kx5faX5KctI

Don’t worry mother, it’ll be alright
Don’t worry sister, say your prayers and sleep tight
It’ll be fine, lover of mine, it’ll be just fine

Lend your voices only to sounds of freedom
No longer lend your strength to that which you wish to be free from
Fill your lives with love and bravery
And you shall lead a life uncommon

I’ve heard your anguish, I’ve heard your hearts cry out
We are tired, we are weary
But we aren’t worn out
Set down your chains until only faith remains
Set down your chains

And lend your voices only to sounds of freedom
No longer lend your strength to that which you wish to be free from
Fill your lives with love and bravery
And we shall lead a life uncommon

There are plenty of people who pray for peace
But if praying were enough, it would’ve come to be
Let your words enslave no one
And the heavens will hush themselves to hear our voices ring our clear
With sounds of freedom
Sounds of freedom

Come on you unbeliever, Move out of the way
There is a new army coming and we are armed with faith
To live, we must give
To live

And lend our voices only to sounds of freedom
No longer lend our strength to that which we wish to be free from
Fill your lives with love and bravery
And we shall lead...

And lend our voices only to sounds of freedom
No longer lend our strength to that which we wish to be free from
Fill your lives with love and bravery
And we shall lead a life uncommon

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そんなこんなでとにかく疲れました。イースター、ゆっくり休みたいと思います。



2008年3月16日日曜日

偶にはシャンパンパーティでもいかが?(げん)


IMDの決まりでは、授業中に携帯が鳴ったら、シャンパン一本をクラスに"寄付”しないといけません。メキシコ人のエンリンキがずっとひそかに記録していて、とうとう30本に達しました。

先週の金曜日に、近くのバーでシャンパンパーティーを開催しました。最近みんな疲れたから、その反動もあってかなりドンちゃん騒ぎしていた。よく分からないけど、途中から延々と胴上げしていた。。。

写真でもどうぞ!微妙にボケているけど、ちょうど良いかもしれません。

2008年3月15日土曜日

3/14 思考の窓(トモ)

今日のマーケティングの授業では、ICHF(International Children's Heart Foundation: http://www.babyheart.org/)というNGOのケースについて討議しました。ICHFは、小児心臓病(Pediatric Cardiology)を扱う医者および医療施設が整っていない国々での治療を支援するNGOです。

設立者はDr.Novickというアメリカ人のお医者さんです。この日の授業のために忙しいスケジュールの中、Dr.NovickがアメリカからIMDまで足を運び生徒と一緒に課題を討議しました。営利組織と比較して非営利組織では資源(ヒト・モノ・カネ)も限られているため、限定的な条件の中でいかに効果的なマーケティングキャンペーンを展開すべきか、いつも以上に真剣な議論が交わされました。Dr.Novickの取り組みに多くの生徒が何かしら感じるところがあったようです。 実際に社会への貢献を最優先に取り組んでおられるDr.Novickのような方を目の前にすると、やはり琴線にグッと触れるものがあります。社会的な視点からリーダーシップについて考える姿勢はIMDの特徴ではあるかと思いますが、お金以外の何かを求める衝動は世界で確実に高まっているように感じます。

最後には生徒からの提案をProf.Dominiqueがまとめ、Dr.Novickに現地での手術よりももう少しマーケティング活動に時間を費やすよう提案していました。予習として事前にケースを読んだ際、自分の得意分野である人事的な視点から考えると、ICHFの現在の最大の課題はICHF自体の人材育成や後継者育成にあると感じていたので、Prof.Dominiqueの提案はマーケティングに着目したもので自分の結論とはまったく異なりましたが、このケースを通じて勝手に自分の経験をいろいろな分野で活かせる可能性を感じました。

今日はProf.DominiqueとDr.Novickという素晴らしい役者のおかげで、マーケティングという窓から世界を覗いて、経済格差、医療問題、非営利組織、リーダーシップ、人材育成などいろいろと考えさせられるクラスでしたが、自分の知識をより高め、組織・人事という視点から世界を覗けるようになりたい、と野心的な考えを持ちながらも日々の課題に追われる毎日であります。

2008年3月9日日曜日

3/9 心の成長(トモ)

6日木曜日午後から7日金曜日終日、8日土曜日午前の3日間にかけて行われたIntegrative Exerciseと呼ばれる課題が無事おわりました。この課題では、1月から基礎科目として勉強してきたBuilding Blockの知識を統合してケースの分析をすることが求められます。

昨年(2007)MBAのTomoさんの記録にそって、今年のトモ(偶然にも僕のニックネームもTomo)の睡眠時間を計算すると以下のようになります。
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6日 木曜日 夜1.5時間(AM5:30 – AM7:00)
7日 金曜日 昼1.5時間(PM14:00-PM15:30)、夜1.5時間(AM5:30-AM7:00)
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計4.5時間

以下、昨年のTomoさんに見習い、この3日間で感じたことを書き留めておきたいと思います。

まずはこの2ヶ月間でいろいろな練習問題が知らず知らずに与えられていたことに驚きました。今まで与えられた課題の中に類似のケースがいくつかあり、それらの経験をかなりの部分転用できるようになっているのです。すべてのコースが関連しており、基礎科目といえどもかなり練りこまれているという印象を改めて受けました。

チームの中にはファイナンス出身のIgorとJanislav、マーケティングが得意なYuseop、製造に強いErikとRandy、コンサルティング経験者のNacho、僕は人事と各メンバーの得意分野がバラバラなので、出身国や文化だけでなくこうした仕事の経験による「言語」の壁も越えていかなければなりません。そしてこの多様性を弱みではなく強みとして活用することが求められます。

大変な作業の中でも食事の手配は完璧で、いつもの素晴らしい昼食に加え、6日、7日の夜に軽食、といってもかなり充実した料理、が準備されていました。ちなみに7日の夜はメキシコ料理。大好きなサルサをタコスで食べました。作業中のおやつとしては、嫁さんの実家から送ってもらった日本の伝統ある駄菓子「森永のキャラメル」がチーム内で大変人気でした。テーブルにキャラメルを出すと勝手に手が伸びてきてみんなの口にキャラメルが入り、しばしの間発言がまろやかになりました。

そしてなによりもグループのダイナミズムを満喫した3日間でした。僕の所属するグループは「みんなで仲良くやろうよ」的な意味をこめて「Country Club」というグループ名がつけられており、”なんとか”協力的にチームとして作業を進められました。しかしチーム内での個人個人の役割は変化していきます。メンバーひとりひとりを見ているとこの3日間の激しい議論の中で明らかな変化が見られました。僕個人は7日の夜はいつも以上に発言することができず、グループに貢献できないことに対する苛立ちや悲しさを嫌というほど感じさせられました。メンバー間の協力関係、競争関係も刻々と変化していきます。これらの変化の中でチームとしての成果をつくりだしていく過程はときに楽しく、ときに苦しいものです。他のグループでもスタート時点で別ルートに分散、快調に進みながらも夜中に大衝突、などなどいくつか事件があったようです。他にも金曜日の夜にはDungeonで各自がi-podをつけて自分の音楽で踊る勝手なダンスパーティーがありました。真夜中には血走った目をしながら無表情でDungeonを徘徊するゾンビのような人も何人も出現しました。明け方になると、なぜか上半身裸で作業をしている人まで見かけました。

最後のおまけとして、PDI(Personal Development Initiative)と呼ばれる個別カウンセリングがたまたま土曜日のプレゼン終了後の午後2時-3時で入っていたので、この3日間で感じたことをいろいろとカウンセラーさんとお話してきました。この1時間の会話もかなり興味深かったので改めて書きたいと思います。

先週ぐらいからすごく心配していた3日間のIntegrative Exerciseがこうして無事に終わりましたが、今はとてもぼーっとした不思議な感覚です。感じたことをすべて文字にはしきれていないですが、こうした体験を通してすこしずつ心が成長している感じがします。

2008年3月4日火曜日

3/4 IMDの断面図(トモ)

IMDは世界最高峰のエグゼクティブトレーニング機関です。いま、ここで1月から12月までの1年間のMBAプログラムを受講しています。

IMDはスイスのジュネーブから電車で約1時間のローザンヌという街のレマン湖の畔にあります。向こう岸にはフランスのエビアンが見えます。

このステキな景観を眺めながら通学していると、「世界最高峰のわりにはIMDの建物は低いなぁ」と、感じたことが最初のころにありました。大学とか教育機関ならば、立派=高いビル、という発想をしてしまっているのでしょう。しかしよくよく考えたら建物が低いのにはそれなりの理由があるのです。”Everything has a meaning” - 最近はチームのカウンセリングを担当してくれているMetteの呪文のようなセリフが頭から離れません。

ローザンヌは鉄道の駅や教会がある中心地が丘になっており、レマン湖に向かって下り坂になっています。そのためレマン湖のほとりにあるIMDの建物が高いとせっかくの素敵な景観を損ねることになります。これがIMDのMBAに参加したことのない人の大半の回答ではないでしょうか。

しかしMBAの生徒はIMDが「地上」よりも「地下」にむかって広がっていることを嫌と言う程よく知っています。。。

授業は毎日8時から”Auditorium(大講義室)”でレクチャーを受けることから始まります。前半の半年はBuilding Blockという基礎科目の習得がメインになっているので毎日がここからスタートすることになります。レクチャーの主な目的は、体系的な知識の習得やディスカッションです。ここでは意識を集中し、今までの経験と(わずかの)予習の知識を最大限活かし、約40カ国から集まったクラス90名から自分を除いた残りの89人+教授と知的バトルを繰り広げなければなりません。

しかし一通りレクチャーを受けたところで本当の「クラス」がはじまります。90人が”Study Group”と呼ばれる12のグループに分けられており、このグループごとに与えられた”Study Room”という地下の小部屋で課題をこなしていきます。”Study Group”でのディスカッションは、60分からときには15分という限られた時間の中で、如何にチームとして短期的に成果をあげながら長期的に成長していくかが問われます。また課題によっては1日の大半を"Study Group"と過ごすこともあります。当然そこには、理屈を超えた驚き、戸惑い、怒り、悲しみ、喜び、さまざまな感情が交錯します。そのため、”Sturdy Group”では己を見つめ、己を知り、己を磨くことが何よりも求められます。これが”Study Room”が”Dungeon (地下牢)”と呼ばれる所以なのです。

Auditoriumでの意識上の戦いから、Dungeonでの意識下の戦い、これこそがIMD MBAの毎日です。